すばらしき熟成の果て

またチーズの話です。　すいません。　（最近食い物の話多いな…） ちょっと時間はさかのぼり、去年の夏の終わりごろでしたか。 お友達のYMちから、トルコ土産のチーズを頂きました。 2種類あって、（たぶん）牛乳と、もうひとつはヤギ乳（トルコだから羊かもしれない）のフレッシュチーズ。 ←牛乳のほうは モッツァレラに近い匂いと味で、とてもマイルドだったのですが ヤギ（羊？）のほうがぶっちゃけ　すごかった。 地中海沿岸・中近東独特の、なんというか、要するにキョーレツな塩分とケモノ臭。 もちろん私は大好きなので喜んで試食してたのですが 家族からはちょっとした変態扱いをうけた挙句 あろうことか数日後、 冷蔵庫からそのモーレツチーズの姿が見えなくなっておりました。 しょ、処分された…？　お土産なのに…？　ていうか　そこまでくさい？！ と、ひとしきり怒りちらしたものの まあ一人暮らしじゃないし、みんなの冷蔵庫だからしょうがないかな、と その時は悲しみのあまり泣き寝入りをいたしました。 それから数ヵ月たった昨日、 なんと、冷蔵庫の中に変わり果てた姿のチーズを発見！！ ゴッデス！！！！！ かわいそうな私のヤギ（羊？）チーズは、アルミホイルでグルグル巻きにされ、 私の鼻炎の薬と同じケースに入れられていました。　 どういう仕打ちよ！　つーかコレじゃチーズってわかんねえYO！！ 迫害の果て生き別れになってしまったと、涙にむせんだ日々を乗り越えての再会。 おお、これはまさに、地中海の白い奇蹟！　割れよ海！！！！わが道を示せ！！！！！ と、 憤慨かつコーフンした私は さぞかし醗酵が進みモーレツ度は200％UPだろうと予想されるこの包みを あえて家族の揃う食事時を狙って開けるという一種おとなげない報復行動に出たわけですが 開けてびっくり。　なぜか超マイルドになってました。 ありー？？？ 薄紙にくるまれてプラスチックのパックに入った上からグルグル巻きの刑に処された地中海の白い奇蹟は、 なぜかその薄紙にモーレツ臭が全部移り、チーズそのものは別に私にしてみればくさくもなんともない。 （しかしこの紙はさすがにキタ。　あれはもう食べ物の匂いではないと言えましょう。） ほっほーーーーーーーーーーー。 たいていの場合、こういうちょっと珍しい種類のものを入手してもすぐ食べちゃうんだけど 思いがけず数ヶ月の熟成を経たヤギ（羊？）チーズは ほどよく水分と塩分が抜け、まろやかになってとーーっても美味しかったっす。 と　いうわけで晩御飯のパスタに全部使いました。 （それでも家族はやっぱりビミョーだったらしいけどそんなことはもはや私の知ったことではない） しかしまあ不思議だ。 チーズは時間と共にモーレツになるばかりと思ってたけどな。 保存状態によってはマイルドになったりもするんだな。 ポイントは薄紙？　アルミホイル？　 それとも薬箱？（なわけない） まだまだ奥が深いのであったチーズ道。　むん。